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なぜ市場に出回っている藍染め製品は色落ちや色移りするのか?

藍染め製品は白い服と一緒に着ては行けない?

藍染めのホント

藍染めでよく誤解されていることは、色落ちするということです。また色移りがするため白い服と一緒に着ては行けませんというもの。

「藍染め製品は色落ちや色移りが激しい」

これが、現代の藍染めに対する世間の定評です。しかし、これは大きな誤解です。

藍染め製品は、色落ちや色移りが激しいという誤解

実際市場に出回っている藍染め製品は、色落ちや色移りする藍染め製品ばかりですので、藍染め製品は色落ちや色移りが激しいと当然のように思われているようですが、これは多くの場合「化学建て」により藍建てを行なっている為におきます。

基本的に「本建て」による藍染めで染められたものは色落ちしません。

色落ちしたとしてもすぐにとまりますし、ましてや色移りはしません。例え色移りしたとしても水洗いすればすぐにおちます。だから白いものと一緒に洗っても全く問題ありませんし、例え水が青く染まったとしても白い衣服に色移りするなんてことはありません。

なぜなら、伝統的な「本建て」による藍染めは成分の付着であるからです。「藍染め」と、書きますが藍染めは成分が繊維の中に入っていくのではなく表面に付着するのです。

藍染めの染め液の溶液は、無酸素状態の強アルカリ性だということをお話しましたが、染め液から取り出した瞬間に空気中の酸素にふれ酸化します。そして酸化することで表面についた染め液が青く変色します。

なぜ市場に出回っている藍染め製品は色落ちや色移りが激しいのか?

もし色落ちが激しい藍染め製品があるのでしたら、たとえ原料が天然の素材を使用していても還元剤や化学薬品などを使用している可能性が高いです。

または、水洗いや灰汁抜きなどの工程を省略している可能性があります。

もちろん色落ちするからと言って一概に偽物だということではありません。

「本建て」による、藍染めの製品も色落ちや色移りすることがあります。それは製品の品質が一定しない為に起きます。

後述しますが、藍は生き物(「本建て」の場合、染め液の中に微生物がいます)ですので染める時の藍の調子や、染め方、洗い方、素材、柄の出し方、天候などで、必ずしも結果が一定ではないためです。