「藍染め」と「草木染め」の違い
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「藍染め」と「草木染め」の性格の違い
「藍染め」は「草木染め」と同じように葉から色をとりますが、「藍染め」と「草木染め」はそもそも別のもの。
「藍染め」で使う藍草は、そもそも水に溶けません。水に溶けないので「草木染め」のように熱湯につけて染める成分を抽出するような「煮出し」ができません。
では「藍染め」で使う色は、どのようにして抽出するのかというと、水に溶けない不溶性の藍を水に溶ける成分である水溶性にかえなければなりません。そこで藍を「建てる」工程を挟みます。
藍を水に溶かす2つの段階
藍を「建てる」には二つの段階を踏みます。
1つ目の段階では、まず藍師が藍草から蒅(すくも)という原料をつくります。藍草の葉を100日ほどかけて醗酵させることで蒅(すくも)は出来上がります。
2つ目の段階では、次に紺屋が蒅(すくも)を使い、木灰の灰汁(あく)で藍を建てて染め液をつくります。
「草木染め=染色」と「藍染め=付着」の違い
「草木染め」は、染色すると染めた成分が繊維の中にまで入っていきますが、「藍染め」では、繊維の中にまで入っていきません。
ですから「草木染め」がそのもの自体を染める「染色」であるのに対して、「藍染め」では色の成分をものに「付着」させる働きをします。藍染めは、色の成分を表面にコーティングするようなイメージです。
なので、藍で染められたものを切ると中はもとの色のまま。白いコットンなら、白のままです。