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伝統的な藍染め「本建て」による藍染め

藍はもともと水に溶けない

「藍建て」とは、水に溶けない藍を水に溶かし染め液をつくることを言います。

藍草はもともと水に溶けない性質をもっています。ですから、藍で染める為には藍草を水に溶ける成分にかえなくてはいけません。どのようにして水に溶ける成分に帰るのかというとまず藍草を醗酵させて蒅(すくも)にかえる必要があります。

藍は藍草の葉を100日ほどかけて堆肥状に醗酵させ、藍染めの原料である蒅(すくも)になります。そして蒅(すくも)を藍甕にいれ、灰汁(あく)を蒅(すくも)がみえなくなるくらいになるまで入れ棒で突き、よく「練り」醗酵させる過程で不溶性の藍が水に溶け出し水溶性の藍になります。

藍の溶液の中は強アルカリ性で無酸素状態ですが醗酵します。醗酵するには微生物の力が必要ですから、強アルカリ性で無酸素状態の溶液の中に微生物が生きているということになります。

藍は綿、毛、絹、麻などの天然繊維は染めることが出来ますが石油系の合成繊維は一切染めることは出来ません。(レーヨンなどの半天然繊維は染まります)

染め液の中に天然繊維を入れると藍は布や糸などの表面に付着します。藍は醗酵させた状態では「白藍(しらあい)」として溶液の中に溶け込んでいますが、空気中の酸素に触れることにより青みを取り戻します。

藍は何層にもわたり付着させることによって色が濃くなっていく

何度も何度も溶液の中に入れ、水で洗い、干しを繰り返すことで青味がどんどん濃くなっていきます。これは、薄い青が何度も染め液に入れることで積み重なることにより濃くなります。

「藍染め」と書きますが、藍は繊維の中には入っていきません。藍は布や糸に付着することにより色を出します。つまり布や糸の表面をコーティングします。

コーティングという名の通り藍で染められた衣服は繊維を丈夫にし擦れに強くなります。その際、色落ちや色移りはしません。

また藍には様々な効果があり、糸や繊維に付着した藍は様々に働き虫除けになったり、遠赤外線効果や紫外線防止、また抗菌作用があると言われています。